当ブログで訴えた賀茂川(鴨川)の環境破壊、京都新聞にも

以前、私が当ブログで訴えたことが先日、京都新聞の記事になった。友人Oさんが教えてくれた。以前、賀茂川の環境破壊に対する憂いを口にしたことを覚えていてくれたのだ。

 

Oさんには私の過去のブログを読んでもらった。「まったく同感、すばらしい」との感想をもらった。いくら私のブログが「素晴らしく」ても、賀茂川の生き物が消滅していれば何の意味もない。

 

「鴨川」は賀茂川下流域の名称である。

 
以下がその記事。
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京都・鴨川の魚類、河川整備で異変 治水と環境保全、両立に課題

2018年11月20日 18:11京都新聞

 鴨川は都市河川でありながら、多様な魚類を育んでいる。しかし、治水を重視した河川整備のために魚が住みにくくなっていて、市民団体や漁協は改善を訴えている。豪雨が頻発する中、治水と環境をどう両立させるかが課題だ。

■豊富な魚類生息も「昔より激減」

 「こんなに魚がいるのか」。鴨川で魚類の生息調査を続けている京都大大学院生の横田康平さん(27)は、2年前に初めて川に潜ったときの光景を覚えている。アユやオイカワ、ヨシノボリ…。水中には豊かな魚の世界が広がっていた。

 今年も30種類を確認した。「調査中に通行人によく声を掛けられるが、みんな鴨川にこれほど多様な魚がいるとは知らないようで、驚かれる」と話す。賀茂川漁協の澤健次組合長(43)は「琵琶湖・淀川水系にいる魚の多くは、鴨川でも見られる」と、魚類の豊かさを語る。

 一方で澤さんは「昔に比べ、魚は激減している。今の鴨川は人工の水路のようになっていて、魚の生息場所や隠れ家がなくなっている」と指摘する。

 治水だけを考えれば、水をスムーズに流すために川は真っすぐで、川底は平らな方がいい。しかし速い流れの瀬や、水深のある淵、砂がたまった砂州など多様な地形がなければ魚は生息・繁殖できないと、漁協や市民団体は口をそろえる。

 潜水調査している横田さんは以前、興味深い光景に出会った。真夏で高水温になった鴨川で、本来は瀬にいるはずのアユの姿が見えず、砂州近くのごく浅い場所に固まっていた。砂州の中を通って冷やされた水がわきだし、そこにアユが集まっていたのだ。同じように、淵の底近くは水温が低く、魚たちが命をつなぐ「避暑地」になっていた。「水深が浅い鴨川は夏に水温が上がりやすく、特に淵が重要だ」と横田さんはいう。

■「落差工」が魚足止め

 川を横断するように段差を設ける「落差工」の改善を望む声も強い。鴨川には40カ所余りあり、川を階段状にすることで洪水時に河床が削られるのを防ぐ役目がある。だが、アユやウナギ、サツキマスといった川と海を行き来する魚が落差工で足止めされ、本来の生息・繁殖場所にたどり着けなくなっている。

 市民団体「京の川の恵みを活かす会」は落差工に手作りで魚道を設け、魚のそ上を助けている。同会は「本来、魚道設置は市民ではなく、河川管理者である府の役割だ」と行政の姿勢を問題視する。

 府は、「魚道の新設や生き物に配慮して砂州を残すなど、環境には一定の配慮をしている」(河川課)とする。一方で、漁協や市民団体が求めるような環境対策が十分にできていないことも認める。河川課は「鴨川は河川勾配が急で、治水が難しい川だ。流域には人口や資産が集中し、水害がおこれば大きな被害が出る。環境は大切だが、まずは治水対策を優先せざるを得ない」と説明する。

 「活かす会」代表の竹門康弘京都大防災研究所准教授は「鴨川の河川整備計画に、どのような環境にしたいのか目標が書き込まれていないのが問題」と指摘。「まず環境目標をつくり、その実現に向けて市民を説得していくくらいの姿勢が必要だ」と行政の奮起を促している。

 (京都新聞記事は以上)

名古屋での半日 タクシーさんとの会話

 お天気のよい初冬の一日、名古屋市千種区にある父方のお墓に父母とお参りしました。名古屋駅からは機嫌のよいぢい様運転手のタクシーに案内してもらいました。おかげで足の悪い父も苦労なくお参りができました。お墓のお花を入れ替え、お掃除もできました。お墓の掃除はなんとも気持ちの良いものです。

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 道中、今年76歳になるというその運転手さんの身の上話を聞きながら行きました。………26年前、離婚した妻に鹿児島の家を明け渡して、タクシー運転手になるため単身名古屋に出てきたこと。なぜ名古屋かだったというと、東京や大阪に比べて道が覚えやすかったから。以来26年間、独り者でやってきた。今は週に三日しか乗車しない。売上げノルマの2万円に達したら、その日の仕事はそれでお終い。欲は出さない。少々足りない場合は、自分のこづかいをつっこんで無理やり2万円にする。行き先がよく分からず道に迷った場合、怒りだす客は10人中1~2人程度、だいたいのお客は優しい。巨人ファンで、鹿児島にいた頃にはよくクルマで小一時間かけて宮崎キャンプを見に行ったこと………などなど。

 

 人の半生は聞いていて楽しいので、ついインタビューしてしまいます。これはいつも診療でやっていることです。治療者は患者さんに対して「人」として関心を持たないと仕事ができません。(プライバシーを聞かれたくないオーラの出ている人には聞かないようにしていますが。)老運転手さんも「愛嬌のあるお客さんで今日は楽しいわ」と言ってくれました。普通は名古屋でタクシーに乗ると、あの独特な言葉で迎えられるのですが、今日はそうでなく不思議な感じがしました。お参りが済むまで、タクシーさんには外で待っていてもらい、また名古屋駅近辺に戻ってもらいました。

つげ義春 「蒸発」に描かれた漂泊の俳人 井月(せいげつ)

 俳句の本を読んでいて、永らく忘れていた名前に出会った。「井月」である。「せいげつ」と読む。江戸末期から明治前期にかけて生きた文人である。多くの俳句を残したが、没後永きに渡って忘れられていた。平成になる少し前、その半生をつげ義春が数少ない資料をもとに漫画に描いている。それを学生時代に読んでいた。

 

 つげ義春(1937~)は、その独特な世界観に魅かれる多くのファンを持つ漫画家である。ただ、時期によって作風がまるで違う。特に有名なのは、三十歳前後に描かれた一連の作品群だが、長いブランクの後、五十歳を目前に全く作風を異にして再び読者の前に現れた。それが『無能の人』であった。(後に竹中直人氏が同名の映画作品に仕上げている。佐野史郎氏もつげ作品を映画化している。どちらもお勧めである。)

 

 

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 そこに描かれた世界は、若い頃のほの暗いロマンティシズムとはほど遠く、驚くほど枯れていた。池袋の書店で初めて手に取った私は、久しぶりの新刊を大いに喜び、中も見ないで買って帰ったが、帰宅して読んでみて大いに失望した。二十代の若者の目には、到底ついていけないみすぼらしい世界に映った。その中の一編に井月を描いた「蒸発」が含まれていた。

 

 

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  落栗の座を定めるや窪溜り

 

 

 歴代の名句を集めた本を読んでいてこの句を見つけたことが、井月を思い出すきっかけになった。その生涯にも関心が湧き、すでに散逸していたつげの漫画も今回あらためて買い求めた。

 

 再読してみて思ったのは「これは若い人にはきついわ」ということ。やはり年齢を重ねないと近付けない世界というのはあるのだ。つげさんがアラフィフで描いたものを今自分がその年齢に達して後を追っている。

 

 井月の作品は岩波文庫で読むことができる。素朴な味わいのある句が並んでいる。二十年俳句をやっている母もこの名は知らなかったという。今回は先輩に教えてあげる形となった。

 

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おすすめ映画 「世界で一番ゴッホを描いた男 」(2016中国)

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eiga.com

 

 烏丸四条cocon烏丸3階の〈京都シネマ〉の会員になっていることもあり、暇を見つけては映画を観に通っています。平日に行くとお客さんは、ほぼ私より年の上の方々ばかりです。

 

 年間10~30本観るうち、あまり記憶に残らない作品も少なくないのですが、これは忘れられない一本になるでしょう。それくらい面白かった。人間ドラマとして感動もしました。詳細は添付のサイトでご確認下さい。

 

 京都シネマでは11/16(金)まで上映しています。

 

『世界で一番ゴッホを描いた男』 予告編 - 予告編・関連動画 - 世界で一番ゴッホを描いた男 - 作品 - Yahoo!映画

生誕110年 東山魁夷展 京都国立近代美術館 【東京展】2018年10月24日(水)~12月3日(月) 国立新美術館

 

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 去る10月某日、母を誘って東山魁夷展に行って参りました。

 

 東山魁夷日本画家であるのみならず、文筆家としても有名で、中学二年の国語の教科書に氏の随筆が載っていたことを思い出します。そこには有名な<道>や<花明り>などの作品写真も掲載されていました。

 

 当時美術部員でもあった私は、父母にねだって氏の立派な画集を買ってもらいました。

 

 40年経過して本物を見にすることができ感無量でした。

 

 「春雪」「愁思」など、季語が題名になっている作品が多いのも文筆家ならではだと思いました。

 

 京都では終わってしまいましたが、東京においでになる方は是非足を運んで本物をご覧になって下さい。週末のナイターや、平日の夕方以降が空いています。

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池田政一先生鍼灸勉強会 土砂崩れと想定外の雨にまみれて ~八木町蔭涼寺への道~ 

 

 昨日は丹波八木町の江戸時代の木喰(もくじき)上人ゆかりのお寺・蔭涼寺で、古典派鍼灸の第一人者、今治の池田政一先生をお招きしての勉強会がありました。天気予報も大丈夫だったので、京都市から西北西に向かってオフロードバイクの山越えで向かいました。
 
 京都市北区⇒鷹峰⇒京見峠⇒周山街道⇒京北細野⇒星峠林道⇒神吉⇒八木町
 約一時間の行程のはずでした。ところが…

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 道中あてにしていた星峠の林道は台風のせいで土砂崩れ。オタオタと引き返すことに!
 
 深山幽谷の一本道をたった一人で進んでゆくと、突然目の前に具体的な形で現れる自然の猛威。何度も体験済みですが、毎回そら恐ろしくなります。まるで得体の知れないモンスターが踏み荒らした跡。そしてその怪物がまだその辺に潜んでいるような底知れぬ怖さ。いちもくさんに引き返しました (・_・;) 

 さらに次に選択しようとしたルートもこの有り様。
 

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 地元の人に尋ねたりしてさらなる別ルートを探し当て、ようやくのこと山を越えて八木町にたどり着きました。
 
 結果的に教えてもらった宇津峡経由の道の方が写真の通行止めの山道よりずっと近かった。 (教訓:自己判断する前に地元の人に聞くべき。 )
 
 おまけに山間部に入ってから雨脚が強くなり、レインウェアを着ていなかったため、靴の中はもちろん、下着にまで雨水がしみ込んでしまいました。その状態で夕方まで貴重なお話を聞いていましたが、終了時にはかなりくたくたになっていました。


 帰途、また別の崩落現場を目の当たりにしました。
 
  
 すべてこの夏の台風の爪痕、想像以上の惨禍です。復旧は来年に持ち越されると聞きました。
   
 
 もちろん勉強会も、五月にロスでお目にかかった方々との再会もあり、とても実り多いものでした。
 

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本堂にての治療風景。モデルになって頂いた患者さん。
 背中に鍼をした状態で20分間寝てもらっています。
 
 
 私のあたふたとは無関係に、紅葉は例年以上に綺麗でした。
 
 
 
   道崩れたじろぐ頭上の紅葉かな 
 
 
 

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親子スキンタッチ教室 in 宇治市 大雨の中、無事に成功!

 

◇「スキンタッチ」とは?

 お子さんの健康管理・健康増進を目的として行う家庭療法です。

 

 皮膚をなでたりこすったりして軽い刺激を与えるだけの簡単な方法で、おうちで日々気軽にできて効果の高い優れた健康法として全国に広がりつつあります。今から15年ほど前、古来行われている「小児はり」をアレンジして徳島県で考案されました。「スキンタッチ教室」ではそのやり方をご興味のある親御さんに直接指導致します。

 大きなイベントはしばらくはありませんが、個人的にご興味のある方は、石田鍼灸までお問い合わせください。

 

◇手記「後日談」(イベントを無事終えて)

 去る9月29日(土)宇治市のイベント「オグザニア大作戦」にて、初めてスキンタッチ指導員としてデビューしました。地元の先生方には準備段階からかなりのご苦労をおかけしました。

  わざわざ本場徳島から来て頂いた先生もあり、経験者としてアドバイスを頂戴しました。また、東京や福岡からおいでの美容鍼の先生方三名さんも、とても感じの良い方ばかりで、まるでベテランのような話ぶりでお母さんたちにわかりやすく説明しておられました。

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 台風前の土砂降りということもあり、これでは誰も来てくれないだろうという当初の心配をよそに、結構たくさんの親子連れがテントを訪れて下さり、我々黄色いシャツの参加者たちは一人当たり数名ずつスキンタッチ指導を体験することができました。皆さんの奮闘のおかげで、あの超悪天候下でのイベントとしては大成功でした。

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 私にとっても初めての体験でしたが、見知らぬ子連れのお母さんに対して、まったく予備知識をお持ちでないことを一からわかりやすくお話しするということがいかに難しいかということを体験しました。特に一人目の時はとてもアガってしまいました。見るとするとでは大違いでした。でも何事も繰り返すことで上達するのですね、少しだけ場に慣れることができました。

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    宇治ご当地キャラ チャチャ王国のおうじちゃま


 当日は鍼灸師の妻も連れて行き、いつも家で話だけ聞かせていた経絡治療関係の皆様に引き合わせることができ、それも良かったです。出産と同時に治療界から遠ざかっていましたが、このスキンタッチをきっかけにまた徐々に復帰していければいいなと思っています。

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 お母さんやお子さんのため、ということがもちろん一番ですが、今回はそれ以上に我々鍼灸師同士の交流が心を豊かにすることを体験しました。


  翌日の京都新聞・山城版の朝刊に、よりによって私の写真がドアップで掲載されました。(`_´)ゞ

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