ツボは待っている、気づいてもらうのを!

身体は自分の不調を知らせるために情報を発信しています。その最たるものが「症状」です。

 
不快な症状があるとそれまでのペースを落として休む必要があります。身体は休んでほしいから症状を出して知らせるのです。

症状以外にも身体の表面に無数に信号を送って誰かに気づいてもらおうとしています。顔色もその一つ。からだがしんどいと顔色も優れません。
 
身体表面に現われる情報として見過ごしてならないのがいわゆる「ツボ」と呼ばれるものです。ツボは体調不良になると、凹んだり、盛り上がったり、変色したり、押してみるととんでもなく痛かったり…と色々な表情を見せてくれます。ちょうど、分かっているのに手を挙げないシャイな生徒、気づいてもらうのを待っている、そんな感じです。この段階ではまだ自分から症状を出してきません。
 
ところが、このまま気付いてもらえないと、症状として痛みを出して来て知らせようとします。その症状は必ずしもそのツボのある所に出るとは限りません。むしろ痛みの出ているツボから遠い所に出ることの方が多いのです。痛みが出る前に治すというのが、いわゆる「未病を治す」と言われるもので、鍼灸を含めた東洋医学の理想とする健康管理法です。
 
 
現在の日本では、「ツボ」に関する正規の教育は、鍼灸の専門学校大学以外では、小中高大学(医学部を含む)のどこでもなされていません。これほど貴重な英知を無視軽視しているその見識はいかなるものでしょうか。いつまでも脱亜入欧ごっこのこの国の目覚めはまだ遠いことなのかもしれません。