当ブログで訴えた賀茂川(鴨川)の環境破壊、京都新聞にも

以前、私が当ブログで訴えたことが先日、京都新聞の記事になった。友人Oさんが教えてくれた。以前、賀茂川の環境破壊に対する憂いを口にしたことを覚えていてくれたのだ。

 

Oさんには私の過去のブログを読んでもらった。「まったく同感、すばらしい」との感想をもらった。いくら私のブログが「素晴らしく」ても、賀茂川の生き物が消滅していれば何の意味もない。

 

「鴨川」は賀茂川下流域の名称である。

 
以下がその記事。
 f:id:tacoharumaki:20181125071132j:plain

 

 

京都・鴨川の魚類、河川整備で異変 治水と環境保全、両立に課題

2018年11月20日 18:11京都新聞

 鴨川は都市河川でありながら、多様な魚類を育んでいる。しかし、治水を重視した河川整備のために魚が住みにくくなっていて、市民団体や漁協は改善を訴えている。豪雨が頻発する中、治水と環境をどう両立させるかが課題だ。

■豊富な魚類生息も「昔より激減」

 「こんなに魚がいるのか」。鴨川で魚類の生息調査を続けている京都大大学院生の横田康平さん(27)は、2年前に初めて川に潜ったときの光景を覚えている。アユやオイカワ、ヨシノボリ…。水中には豊かな魚の世界が広がっていた。

 今年も30種類を確認した。「調査中に通行人によく声を掛けられるが、みんな鴨川にこれほど多様な魚がいるとは知らないようで、驚かれる」と話す。賀茂川漁協の澤健次組合長(43)は「琵琶湖・淀川水系にいる魚の多くは、鴨川でも見られる」と、魚類の豊かさを語る。

 一方で澤さんは「昔に比べ、魚は激減している。今の鴨川は人工の水路のようになっていて、魚の生息場所や隠れ家がなくなっている」と指摘する。

 治水だけを考えれば、水をスムーズに流すために川は真っすぐで、川底は平らな方がいい。しかし速い流れの瀬や、水深のある淵、砂がたまった砂州など多様な地形がなければ魚は生息・繁殖できないと、漁協や市民団体は口をそろえる。

 潜水調査している横田さんは以前、興味深い光景に出会った。真夏で高水温になった鴨川で、本来は瀬にいるはずのアユの姿が見えず、砂州近くのごく浅い場所に固まっていた。砂州の中を通って冷やされた水がわきだし、そこにアユが集まっていたのだ。同じように、淵の底近くは水温が低く、魚たちが命をつなぐ「避暑地」になっていた。「水深が浅い鴨川は夏に水温が上がりやすく、特に淵が重要だ」と横田さんはいう。

■「落差工」が魚足止め

 川を横断するように段差を設ける「落差工」の改善を望む声も強い。鴨川には40カ所余りあり、川を階段状にすることで洪水時に河床が削られるのを防ぐ役目がある。だが、アユやウナギ、サツキマスといった川と海を行き来する魚が落差工で足止めされ、本来の生息・繁殖場所にたどり着けなくなっている。

 市民団体「京の川の恵みを活かす会」は落差工に手作りで魚道を設け、魚のそ上を助けている。同会は「本来、魚道設置は市民ではなく、河川管理者である府の役割だ」と行政の姿勢を問題視する。

 府は、「魚道の新設や生き物に配慮して砂州を残すなど、環境には一定の配慮をしている」(河川課)とする。一方で、漁協や市民団体が求めるような環境対策が十分にできていないことも認める。河川課は「鴨川は河川勾配が急で、治水が難しい川だ。流域には人口や資産が集中し、水害がおこれば大きな被害が出る。環境は大切だが、まずは治水対策を優先せざるを得ない」と説明する。

 「活かす会」代表の竹門康弘京都大防災研究所准教授は「鴨川の河川整備計画に、どのような環境にしたいのか目標が書き込まれていないのが問題」と指摘。「まず環境目標をつくり、その実現に向けて市民を説得していくくらいの姿勢が必要だ」と行政の奮起を促している。

 (京都新聞記事は以上)