ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ☆アディオス in 出町座
昨年開館した出町柳商店街の中の「出町座」へ初めて行って来ました。
京都の下町で、様々な文化の香りをかぐことのできる稀少空間です。京都に住む者として、心から歓迎しています。若き日に池袋の文芸坐でレイトショーを見たことを思い出させてくれます。文芸坐もとうの昔に閉館してしまいましたが。
そのデビューに見た映画は「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ☆アディオス 」。20年近く前に世界的なヒットとなった映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の続編です。
1950年代に世界的なブームを引き起こしたキューバの音楽は、その後、マンボやサルサなどが作られてゆく基礎を作りました。その後、アメリカとの関係が悪化、断絶に至り、世界の音楽市場から取り残され、忘れられた存在となっていたものを、有名なギタリスト・プロデューサーのライ・クーダーに見出され、映画化されます。21世紀初頭に世界的なヒットとなり、ラテン音楽に興味のなかった人までがこの映画を見ました。その続編がこの「アディオス」です。後日談的な内容になっています。
DVDも出ています。(あまりに良かったので早速注文してしまいました。)
今年満88歳になる現役のキューバの歌姫オマーラ・ポルトゥオンドの若き日の映像には心を奪われました。その他、見どころが盛りだくさんです。本当に見て良かった。残念ながら当館では9/28までの上映です。
偉人たちの健康診断 BSプレミアム 10月3日(水)将軍綱吉と鍼治療・盲人教育
先日の放送に続いて、またNHK関連で鍼灸に関係する話題が扱われます。
是非ご覧ください。(再放送は毎週火曜午後11:45~午前 0:44)
「偉人たちの健康診断 徳川綱吉」の回で鍼灸治療が取り上げられます。頭痛や関節痛があった徳川綱吉に対して鍼灸治療が活躍したようです。
◆綱吉の鍼好きと盲人教育
64歳で亡くなるま大病をしなかった綱吉だが、常に頭痛と関節痛に悩まされていた。そんな綱吉を治療し支え続けたのが日本独自の鍼治療「管鍼法」を生み出した鍼医・杉山和一。
今、鍼治療は東大附属病院でも治療に取り入れられている。現代科学で見る鍼治療の効果とは?」
「江戸幕府5代将軍・徳川綱吉。なぜ「生類あわれみの令」で人々が苦しむほどの理不尽で極端なまでの厳罰主義を推し進めたのか?そこには綱吉のある「病」の存在が指摘されている。また綱吉の晩年を襲った悲劇と意外な死の真相を徹底究明。さらに綱吉が力を入れた世界に先がけた盲人教育と医療改革の知られざる秘話もとりあげる。「愚かな犬公方(いぬくぼう)」というイメージが覆る綱吉の素顔を描く。」
(番組HPより)
NHKが鍼灸を取り上げた!9/24放送「東洋医学ホントのチカラ」 とても面白く見ました!
ご覧になった方も多いと思います。ゴールデンタイムのNHK総合で、鍼灸や漢方薬、ヨガについての番組が放送されました。NHKが鍼灸を扱うのは極めて珍しいことです。期待と不安で番組を見ました。
不安というのは、どのような先生が、どのように鍼灸医学を解説されるのか、ということでした。番組の監修者の一人・北里大学の伊藤剛医師には夏に東京で講義も受けているので、基本的には信頼していましたが、それでも国民に大きな影響を与える番組なので、心配もしていました。
でも実際の放送を見て安心しました。それどころか、とてもよくできた番組だと思いました。鍼灸治療を知らない多くの視聴者に関心を持ってもらえる機会を作ってくれたのはとてもうれしいことです。科学的な根拠もちゃんとあるということが少しでも伝われば、信頼にもつながってゆくでしょう。(ただ、伊藤先生による背中の鍼は一つのデモンストレーションの意味があってあれほどたくさん刺されたのかもしれません。私の場合はあんなにたくさんの鍼をあれほど深くは刺しません。)
東洋医学嫌いだと思っていたNHKが、真摯にこのような番組を制作してくれると本当に有難く思います。 鍼灸と言えば、「痛いんじゃないの」「熱いんじゃないの」「ほんとに効くの」といったネガティブな反応がまだまだ多い今日の日本。人口の5%ほどしか実際の鍼灸施術は受けたことがないとも言われています。要するにまだまだ本当の意味で知名度・信頼度が低く、人気職業とは言い難く、優秀な若者に無視され兼ねません。ですから、このようなNHKの教養番組にはおおいに期待をかけています。
見逃した方は、『NHKオンデマンド』でも見られるようです。再放送の予定は今のところ明らかになっていません。
国立西洋美術館「ミケランジェロと理想の身体」展
東京へ行く主な目的は、東洋医学、鍼灸医学の勉強会に出席することですが、その前後に必ず立ち寄るところがあります。上野公園の中の美術館と博物館です。
今回は初めて国立西洋美術館に足を踏み入れてみました。
きっかけは先日放送のTV番組「探検バクモン」で紹介されたことです。
またとない機会を捉えて、本物のミケランジェロの作品に触れることができました。そればかりか、古代ローマや他のルネッサンス期の美術品にも間近に接することができ、心に酸素を吸入した思いでした。特にわれわれのように日頃一ヶ所にこもって仕事をしている者には、このような新鮮な文物に触れる機会が必要です。
ルネッサンスという言葉がそもそも「再生」「復活」を意味し、それは、古代ローマ、さらに遡って古代ギリシャの価値観や美を対象にしたものであるということがよくわかる展示でした。日本では「文芸復興」と表現されますが、美術の面では特に中世のキリスト教社会で禁忌とされた人間の身体の美に光を当てたことに見て取れます。その時代に活躍した最大の天才芸術家の一人がミケランジェロでした。
ルネッサンス期ばかりでなく、そのルーツである古代ローマ時代の美術品が多数展示されていました。以前神戸で古代ギリシャ展を見た時に、紀
元前にこれほどの文明があったとは、と感銘を受けましたが、今回あらためてヨーロッパの文明の根源に触れることができました。日本も歴史ある国ですが、古さという点では、ギリシャ、ローマにはとうていかないません。
お灸指導のための消しゴムはんこ
ツボの場所を分かりやすくお伝えするための消しゴムはんこを彫りました。自宅でも施灸してもらう場合に「お灸の処方箋」という紙に捺してお渡しします。
今までは口頭でツボの位置をお伝えしていましたが、きちんと紙に書いてお渡しした方が分かりやすい、ということになり、それなら味わいのある楽しいものを、と考えてこうなりました。
消しゴムは木の板に比べてずいぶんと彫りやすいので助かります。もともと図工の時間が一番好きだったので、こういう作業は楽しくて仕方ありません。消しゴムはんこは、テレビのプレバトでもやっていますね。
まだまだ足りませんので、これからも少しずつ作るつもりです。
自宅でお灸してもらうと良いことがあります。例えば、冬のうちからしかるべきツボにお灸をしてもらえば、春の花粉症が軽く済みます。
「夏井いつき句会ライブ」に参加してきました。
去る8月某日、京都市呉竹文化センターにて、プレバトでおなじみの俳人・夏井いつき先生の「句会ライブ」なる催しに父母と参加してきました。
舞台に現れた夏井さんは、化粧っけもあまりなく、一見どこにでもいる年配の奥さんという印象でしたが、一旦お話が始まると、テレビで見るより自由闊達、アクティブな印象で、その飽きさせない話術は聴衆を惹きつけてやみませんでした。
聴衆はおおむね五十代後半以上の女性で、やはり俳句は中高年女性に支持されているということがよく分かりました。俳句というものはとても鋭い切れ味が求められるスリリングな文学ですから、今後もっと広い層に支持され広まって行くと期待しています。
句会ライブというだけあって、会場のお客さんから一句ずつ集めた数百の句の中からあっという間に秀句が選びだされ、講評とともに発表されました。
その中の一句で私がいいなと思ったのは
遠雷や夕餉のあとの居間の黙
黙は「もだ」と読みます。俳句は初めてまだ日が浅いとおっしゃっていた中年の女性の作品です。子が巣立ち、老人と自分たち夫婦だけになった夕食後の沈黙がリアリティをもって描かれています。
私も句作ノートを作って書きためていますが、まだどこへも発表する機会を得ていません。