コロナ疲れ、コロナ危機にこそ、お灸と鍼の力で免疫力アップを!
『コロナ疲れ』という言葉が聞かれる昨今、
いかがお過ごしでしょうか?
日々診療していますと、最近になり、新型コロナウイルスの影響で、漠然とした不安感にさいなまれている方を多々お見受けします。
気分への影響は、不眠や食欲減退、胃腸障害などとして現われます。これも自律神経系のトラブルの一つです。
お灸や鍼は、免疫機能、代謝機能を高め、
病気になりにくい身体を作ることが知られています。
またストレス、不安、疲労からくる自律神経の乱れを整えます。
高齢社会を迎えた現代では元気に健康で長生きするための
予防医学としても期待が高まっています。
ご家庭でのセルフケアや
つらい症状のある方、お気軽にご相談ください。
免疫力を上げてコロナ危機を乗り切りましょう!
大雨の奈良で失った帽子
先週の日曜日、奈良へ。
法隆寺駅に到着したあたりから、雨が降り出し、見る見る土砂降りに。
それでも、法隆寺、中宮寺、藤ノ木古墳の三つを堪能して夕方帰宅しました。
藤ノ木古墳と青空
気が付くと帽子が無い。どこで失ったのか…
奈良も広いのであきらめていました。
が一応
もっとも長くいた場所、法隆寺に電話して聞いてみましたら、なんと「届いています」と!
着払いで送って頂きました。すぐにお礼のお電話をいたしました。
帽子を拾ってくれた人、保管してくれていた人、あきらめず問い合わせた自分、三人の間の見えない糸のおかげです。
この帽子への愛着が増しました。
戻ってきてくれてありがとう。大切にしたいです。
聖徳太子とも結縁(けちえん)できた気分ですね!
鍼灸治療と首周辺の柔らかさの診察の大切さについて
私の鍼灸治療では、四診(望診・聞診・問診・切診)を重視するのは当然ですが、首周辺の柔らかさ、硬さを診察することもとても重視しています。これは頸椎(けいつい)の全面、側面、後面の状態を診る、と言い換えてもいいでしょう。
全身の状態を表わす重要な経穴(ツボ)がこの細い首の周りに集まっているのです。もちろん、首こり、肩こり、頭痛など、首から上の症状の反応も現われるのですが、それだけでなく、腰痛や胃腸障害など、全身のすべてのコンディションの異常が現われてきます。それだけに、欠かすことのできない診察ポイントなのです。
頸椎周辺を圧迫した時に出る痛み(圧痛 「あっつう」)のことは、西洋医学医の父が長年の臨床経験から得た見識からの影響もあり、私も二十年以上前から認識してはいましたが、鍼灸治療のための診察診断法としての実際的な運用法としては、よく分からずじまいでした。
そこへ数年前、偶然の機会に出会った木戸正雄先生の『変動経絡検索法』(通称 VAMFIT)によって、より確実に、かつより深い考察へと導かれるものとなりました。臨床的にもおおいに役立っています。その後も木戸先生には大きな影響を受けており、数年間ご著書を読んで独学した後、昨年から年に五回の東京の勉強会にも参加させて頂いています。
この首周りを圧迫した時に患者さんが感じる痛みをどう説明するかですが、私は経絡(けいらく)という東洋医学的な言葉で説明するよりも、「交感神経」あるいは「自律神経」という語で解説する方が一般の患者さんには分かりやすいと思い、私は日常の臨床ではそのように言っています。
「自律神経」という言葉はどなたでも知っておられるので、ピンと来るようです。ただ、ほとんどの人は、「自律神経=メンタルな異常に起因するもの」とだけ考えておられるようです。自律神経は決してメンタルなものだけに限定されて異常を起こすものではなく、気候変動や肉体労働などによる広い意味での疲労からも容易に異常を起こします。そうなると、元来自動的に調整されていた身体のあらゆる機能がおかしくなります。この種の身体の調整不良を、薬物を使わずに整える最良の方法の一つとして、古来、鍼灸というものがあるのです。
眼窩内鍼(がんかないしん)の実技指導を受けて
2020年最初の経絡治療学会香川県支部・真鍋立夫先生の実技指導は、眼窩の中に鍼を刺し入れる「眼窩内鍼」に関するものでした。これまでもこの施術方法については、所々で耳にすることはありましたが、私自身が実際に指導を受ける機会には恵まれていませんでした。
眼窩というのは眼球のはまっている頭蓋骨のくぼみのことで、眼球そのものには鍼を当てずに、この眼窩と眼球との隙間の図の6点に鍼を刺入する方法です。これは緑内障の目の痛みを楽にすることができるとのことで、さらに色盲や仮性近視にも効果があるとの見解もあるようです。
眼窩内鍼の刺入6点
ただ、眼窩の隙間に鍼を刺し入れるというのは、高度の技術が無いと危険を伴うので、普通の鍼灸師はしり込みしてしまいます。私も熟練者の指導を受けるまではやることはあるまい、と考えていました。
今回、指導を受けるだけでなく、私自身もモデルとして施術して頂きました。まったく無痛で、深く刺されている感じもなく、受ける側としては極めて楽な施術方法であることがわかりました。施術後は何となく楽に物が見えるようになった印象がありました。中学生の子の仮性近視に有効であることを証明すべく、わが子への施術で研鑽を積みたいと考えています。見かけよりも危険性のずっと低い安全な施術方法であることも分かりました。
京都府立植物園の中にひっそりとある神社のこと~半木神社(なからぎじんじゃ)~
世界遺産の点在する京都市内ですが、北区の上賀茂神社と、左京区の下鴨神社のほぼ中間地点、植物園の敷地の中に「半木神社(なからぎじんじゃ)」という小さなお宮さんがあることをご存知でしょうか。
古地図を見ると、このあたり一帯はほぼすべてが農地なのですが、上賀茂神社と下鴨神社の中間に、もうひとつ祠(ほこら)が描かれています。これが半木神社であり、おそらく、農道の途中の鎮守の森の中にポツンとあったのではないかと思われます。大正時代末に京都府立植物園が開設されましたが、それ以前のことになります。
〈江戸時代の上賀茂~下鴨の地図〉
その中間地点の農道の小さな茂みが半木神社の森
境内に掲げられた表示板によると
「この土地はその昔、賀茂族が開墾した土地であるが、奈良時代には「錦部の里」と呼ばれていた。そのわけは、古来、養蚕製糸が営まれ、絹織物の生産が盛んであったためである。平安時代に入り、後一条天皇の御代、寛仁二年(西暦1018年)に、賀茂別雷神社の社領地として朝廷より正式に錦部郷の名をもって寄進された。」とあります。
そして驚くことに、
「賀茂族と秦族の人々が、その職業の守護神として、四国の阿波国より天太玉命(あまのふとだまのみこと)を勧進鎮祭した。」つまり、今の徳島県から養蚕業の守護を願って神様においで頂いたというのです。なぜここで阿波の神様なのでしょう。ちゃんと調べてみたい衝動にかられます。これは民俗学の領域なのでしょうか。
祠の周囲は鬱蒼とした手つかずの林に包まれています。神の森として保存されてきた、園内で唯一の自然林なのです。町中の植物園、その中の一角に小さな〈古代〉を感じます。
夏井いつき先生主催「俳都松山 俳句ポスト365」投句状況報告 第2弾
約一年前に当ブログで報告しました「俳句ポスト365」への投句の評価状況の続きです。昨年4~8月の期間は、登録販売者試験の勉強に集中していましたので、俳句はほとんど作っていませんでした。片手間で作れるものではないのです。心のエネルギーを持続的に集中させておかなければ俳句はできません。
前回も書きましたが、評価は「天」「地」「人」「並」の四段階。ここに入らないのは番外で不合格です。毎回全国から数千句が集まるようです。一万句を超えることもあるでしょう。先生一人でこれらすべてに目を通し、一瞬でランク分けをされているのですね。すごい手腕だと思います。ありきたりな句は一瞬で蹴落とされます。キラリと光っていなくては、目に止まりません。
「天」は最高点の一句のみ。
「地」はそれに準ずる九句ほど。
「人」はさらにそれに準ずる数百句。ここに入るもの至難の業。
「並」は文字通り月並みの句。でも不合格ではなく、俳句として体裁を整えている合格点ぎりぎりのレベル。しかし、数千句の上位10%に入っていると思うとなかなかのものだとも思います。ここに入るのもまた至難の業なのです。
昨年秋から今に至るまで、新たに「人」に入選した句を発表します。(俳句の横書きはパッとしませんが)
食み痕に茸の香ほのとけもの道
レモン苦し同窓会へ出る決心
居候が初冬の爪を切っている
落ち葉掃く尼僧の英語透きとほり
かーなびのこゑがちがふゆきをんなではないか
雪女のこゑてふ昭和のレコオド
前回ここで発表した
枇杷の咲く病欠明けの通ひ経
と合わせて、「人」は、合計七句となりました!じゃん!
自分でいいと思ったものが評価されず、そうでもないものが評価されることも往々にしてあります。なんとも難しいものです。
木戸正雄先生主催 「天地人治療会」 第4回&忘年会
2019年師走、東京渋谷 日本鍼灸理療専門学校にて、変動経絡検索法(VAMFIT)で有名な木戸正雄先生による「天地人治療会」が開催されました。我々鍼灸師の中でも特に、「経絡治療」を行っている治療家には非常に有効な学習会でした。本年度も、はや第4回となり、私の東京通いも4回目となりました。
この会は免許証を持っていない学生は入会できません。これには理由があります。国家試験で記憶すべき内容と異なったことも教えているからです。学校教育のカリキュラムで教えている内容の中には実際の臨床と合致しないことも含まれているということを示唆しています。
2020年2月の第5回で一年のカリキュラムは一旦終了し、また初夏から次年度がスタートします。脈診や切経(体表への触診)だけでは特定しがたい変動経絡を特定し、治療対象にすることができることで有用なVAMFITですが、講習会では著書に書かれていないことも多々登場し、日々の臨床にとてもためになります。
同日夕刻から近隣のおしゃれなイタリア料理店で開かれた忘年会も多くの出席者の先生方と直接交流でき、とても有意義に過ごすことができました。