食物繊維を摂るべき理由とは?~NHKラジオ〈腸内細菌のチカラ〉より~

食物繊維を摂るべき本当の理由とは?

新型コロナの予防のためにも、健康管理には従来以上の関心が払われていると思います。その中でも日々の食の問題は大切ですね。

2020年4~6月までの三か月間、NHKラジオ第2放送で、〈腸内細菌のチカラ〉東京医科歯科大学名誉教授 藤田紘一郎先生のお話を聴講し、大変に勉強になりました。その中から第11回「食物繊維を摂るべき理由」(2020.6.14放送分)を以下に要約いたします。テキストも出ております。

f:id:tacoharumaki:20200714114415j:plain


⑴食物繊維は、五大栄養素に次いで「第六の栄養素」と呼ばれるほど大切なもので、毎日必ず摂取せねばなりません。

食物繊維には、A.水溶性とB.不溶性の2種類があります。
(どちらも納豆、オクラ、モロヘイヤ、山芋、里芋などネバネバ食品に多く含まれています。)

A.水溶性食物繊維は、腸内細菌が自らが増殖するためのエサとして必須。(特に、海藻類、こんにゃく、豆類、タマネギ、らっきょう、ニンニク、ゴボウ、アボカド、ニンニクに多い。)

B.不溶性食物繊維は、腸内の腐敗物質を排出するために必須。最高のデトックス(解毒)効果。大腸がんの予防効果があります。

⑵食物繊維の最大の利点は、腸内細菌がこの食物繊維を発酵させて「短鎖脂肪酸」という物質を作るという点にあります。

「短鎖脂肪酸」こそ、我々の健康維持に必須な万能薬の働きをしてくれるのです!
次へ腸の蠕動運動を促進
次へ腸管のエネルギー源となる
次へ腸上皮細胞の新陳代謝を促進する
次へ有毒な活性酸素を中和する
次へ脂肪の蓄積を減らし肥満を防ぐ
次へ糖尿病改善ホルモン「インクレチン」を増やす
次へアレルギー反応を抑制する
次へ脳内伝達物質「セロトニン」を増やす etc.

⑶食物繊維不足によるリスク

偏った食生活をして食物繊維不足に陥ると、腸内細菌(そのほとんどは大腸に棲んでいる)は、小腸が分泌する粘液を食べて生き延びるしかありません。しかしそれによって、大腸の防衛機能が衰えて細胞に炎症が起きるのです。

⑷食物繊維の上手な摂り方

a.「酢タマネギ」…タマネギは善玉菌にエサとなり、食物繊維を分解して短鎖脂肪酸を作る。腸の蠕動運動が活発化し、代謝が良くなり、血糖値や血圧の上昇を抑えてくれます。

(作り方)
スライスあるいはみじん切りにしたタマネギに軽く塩をふり、しんなりしたら酢を加えて冷蔵庫へ。5日目が食べごろ。そのままでも、付け合わせにしても。

b.「食前キャベツ
毎食の前に小皿一杯分のキャベツ(約100g)を食べる。キャベツには白血球を活性化させて、がん細胞を殺す作用があります。

「汝の食を薬とせよ」
by 医学者ヒポクラテス in 古代ギリシャ

病気は本来、日々の生活の中で予防し治療するべきものです。それには医食同源の言葉通り、食事を薬として取り込む意識がなければなりませんね。

 

石田鍼灸 京都北山