生誕110年 東山魁夷展 京都国立近代美術館 【東京展】2018年10月24日(水)~12月3日(月) 国立新美術館

 

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 去る10月某日、母を誘って東山魁夷展に行って参りました。

 

 東山魁夷日本画家であるのみならず、文筆家としても有名で、中学二年の国語の教科書に氏の随筆が載っていたことを思い出します。そこには有名な<道>や<花明り>などの作品写真も掲載されていました。

 

 当時美術部員でもあった私は、父母にねだって氏の立派な画集を買ってもらいました。

 

 40年経過して本物を見にすることができ感無量でした。

 

 「春雪」「愁思」など、季語が題名になっている作品が多いのも文筆家ならではだと思いました。

 

 京都では終わってしまいましたが、東京においでになる方は是非足を運んで本物をご覧になって下さい。週末のナイターや、平日の夕方以降が空いています。

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池田政一先生鍼灸勉強会 土砂崩れと想定外の雨にまみれて ~八木町蔭涼寺への道~ 

 

 昨日は丹波八木町の江戸時代の木喰(もくじき)上人ゆかりのお寺・蔭涼寺で、古典派鍼灸の第一人者、今治の池田政一先生をお招きしての勉強会がありました。天気予報も大丈夫だったので、京都市から西北西に向かってオフロードバイクの山越えで向かいました。
 
 京都市北区⇒鷹峰⇒京見峠⇒周山街道⇒京北細野⇒星峠林道⇒神吉⇒八木町
 約一時間の行程のはずでした。ところが…

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 道中あてにしていた星峠の林道は台風のせいで土砂崩れ。オタオタと引き返すことに!
 
 深山幽谷の一本道をたった一人で進んでゆくと、突然目の前に具体的な形で現れる自然の猛威。何度も体験済みですが、毎回そら恐ろしくなります。まるで得体の知れないモンスターが踏み荒らした跡。そしてその怪物がまだその辺に潜んでいるような底知れぬ怖さ。いちもくさんに引き返しました (・_・;) 

 さらに次に選択しようとしたルートもこの有り様。
 

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 地元の人に尋ねたりしてさらなる別ルートを探し当て、ようやくのこと山を越えて八木町にたどり着きました。
 
 結果的に教えてもらった宇津峡経由の道の方が写真の通行止めの山道よりずっと近かった。 (教訓:自己判断する前に地元の人に聞くべき。 )
 
 おまけに山間部に入ってから雨脚が強くなり、レインウェアを着ていなかったため、靴の中はもちろん、下着にまで雨水がしみ込んでしまいました。その状態で夕方まで貴重なお話を聞いていましたが、終了時にはかなりくたくたになっていました。


 帰途、また別の崩落現場を目の当たりにしました。
 
  
 すべてこの夏の台風の爪痕、想像以上の惨禍です。復旧は来年に持ち越されると聞きました。
   
 
 もちろん勉強会も、五月にロスでお目にかかった方々との再会もあり、とても実り多いものでした。
 

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本堂にての治療風景。モデルになって頂いた患者さん。
 背中に鍼をした状態で20分間寝てもらっています。
 
 
 私のあたふたとは無関係に、紅葉は例年以上に綺麗でした。
 
 
 
   道崩れたじろぐ頭上の紅葉かな 
 
 
 

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親子スキンタッチ教室 in 宇治市 大雨の中、無事に成功!

 

◇「スキンタッチ」とは?

 お子さんの健康管理・健康増進を目的として行う家庭療法です。

 

 皮膚をなでたりこすったりして軽い刺激を与えるだけの簡単な方法で、おうちで日々気軽にできて効果の高い優れた健康法として全国に広がりつつあります。今から15年ほど前、古来行われている「小児はり」をアレンジして徳島県で考案されました。「スキンタッチ教室」ではそのやり方をご興味のある親御さんに直接指導致します。

 大きなイベントはしばらくはありませんが、個人的にご興味のある方は、石田鍼灸までお問い合わせください。

 

◇手記「後日談」(イベントを無事終えて)

 去る9月29日(土)宇治市のイベント「オグザニア大作戦」にて、初めてスキンタッチ指導員としてデビューしました。地元の先生方には準備段階からかなりのご苦労をおかけしました。

  わざわざ本場徳島から来て頂いた先生もあり、経験者としてアドバイスを頂戴しました。また、東京や福岡からおいでの美容鍼の先生方三名さんも、とても感じの良い方ばかりで、まるでベテランのような話ぶりでお母さんたちにわかりやすく説明しておられました。

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 台風前の土砂降りということもあり、これでは誰も来てくれないだろうという当初の心配をよそに、結構たくさんの親子連れがテントを訪れて下さり、我々黄色いシャツの参加者たちは一人当たり数名ずつスキンタッチ指導を体験することができました。皆さんの奮闘のおかげで、あの超悪天候下でのイベントとしては大成功でした。

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 私にとっても初めての体験でしたが、見知らぬ子連れのお母さんに対して、まったく予備知識をお持ちでないことを一からわかりやすくお話しするということがいかに難しいかということを体験しました。特に一人目の時はとてもアガってしまいました。見るとするとでは大違いでした。でも何事も繰り返すことで上達するのですね、少しだけ場に慣れることができました。

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    宇治ご当地キャラ チャチャ王国のおうじちゃま


 当日は鍼灸師の妻も連れて行き、いつも家で話だけ聞かせていた経絡治療関係の皆様に引き合わせることができ、それも良かったです。出産と同時に治療界から遠ざかっていましたが、このスキンタッチをきっかけにまた徐々に復帰していければいいなと思っています。

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 お母さんやお子さんのため、ということがもちろん一番ですが、今回はそれ以上に我々鍼灸師同士の交流が心を豊かにすることを体験しました。


  翌日の京都新聞・山城版の朝刊に、よりによって私の写真がドアップで掲載されました。(`_´)ゞ

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ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ☆アディオス in 出町座

gaga.ne.jp

 昨年開館した出町柳商店街の中の「出町座」へ初めて行って来ました。

 

 京都の下町で、様々な文化の香りをかぐことのできる稀少空間です。京都に住む者として、心から歓迎しています。若き日に池袋の文芸坐でレイトショーを見たことを思い出させてくれます。文芸坐もとうの昔に閉館してしまいましたが。

 

 そのデビューに見た映画は「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ☆アディオス 」。20年近く前に世界的なヒットとなった映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の続編です。

 

 1950年代に世界的なブームを引き起こしたキューバの音楽は、その後、マンボやサルサなどが作られてゆく基礎を作りました。その後、アメリカとの関係が悪化、断絶に至り、世界の音楽市場から取り残され、忘れられた存在となっていたものを、有名なギタリスト・プロデューサーのライ・クーダーに見出され、映画化されます。21世紀初頭に世界的なヒットとなり、ラテン音楽に興味のなかった人までがこの映画を見ました。その続編がこの「アディオス」です。後日談的な内容になっています。

 

 DVDも出ています。(あまりに良かったので早速注文してしまいました。)

 

 今年満88歳になる現役のキューバの歌姫オマーラ・ポルトゥオンドの若き日の映像には心を奪われました。その他、見どころが盛りだくさんです。本当に見て良かった。残念ながら当館では9/28までの上映です。

 

偉人たちの健康診断 BSプレミアム 10月3日(水)将軍綱吉と鍼治療・盲人教育

www4.nhk.or.jp

 先日の放送に続いて、またNHK関連で鍼灸に関係する話題が扱われます。

是非ご覧ください。(再放送は毎週火曜午後11:45~午前 0:44)

 

「偉人たちの健康診断 徳川綱吉」の回で鍼灸治療が取り上げられます。頭痛や関節痛があった徳川綱吉に対して鍼灸治療が活躍したようです。

 ◆綱吉の鍼好きと盲人教育

64歳で亡くなるま大病をしなかった綱吉だが、常に頭痛と関節痛に悩まされていた。そんな綱吉を治療し支え続けたのが日本独自の鍼治療「管鍼法」を生み出した鍼医・杉山和一。
今、鍼治療は東大附属病院でも治療に取り入れられている。現代科学で見る鍼治療の効果とは?」

鍼灸net「国民のための鍼灸医療推進機構」HPより抜粋)

 

江戸幕府5代将軍・徳川綱吉。なぜ「生類あわれみの令」で人々が苦しむほどの理不尽で極端なまでの厳罰主義を推し進めたのか?そこには綱吉のある「病」の存在が指摘されている。また綱吉の晩年を襲った悲劇と意外な死の真相を徹底究明。さらに綱吉が力を入れた世界に先がけた盲人教育と医療改革の知られざる秘話もとりあげる。「愚かな犬公方(いぬくぼう)」というイメージが覆る綱吉の素顔を描く。」

(番組HPより)

NHKが鍼灸を取り上げた!9/24放送「東洋医学ホントのチカラ」 とても面白く見ました!

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 ご覧になった方も多いと思います。ゴールデンタイムのNHK総合で、鍼灸漢方薬、ヨガについての番組が放送されました。NHK鍼灸を扱うのは極めて珍しいことです。期待と不安で番組を見ました。

 

 不安というのは、どのような先生が、どのように鍼灸医学を解説されるのか、ということでした。番組の監修者の一人・北里大学伊藤剛医師には夏に東京で講義も受けているので、基本的には信頼していましたが、それでも国民に大きな影響を与える番組なので、心配もしていました。

 

 でも実際の放送を見て安心しました。それどころか、とてもよくできた番組だと思いました。鍼灸治療を知らない多くの視聴者に関心を持ってもらえる機会を作ってくれたのはとてもうれしいことです。科学的な根拠もちゃんとあるということが少しでも伝われば、信頼にもつながってゆくでしょう。(ただ、伊藤先生による背中の鍼は一つのデモンストレーションの意味があってあれほどたくさん刺されたのかもしれません。私の場合はあんなにたくさんの鍼をあれほど深くは刺しません。)

 

 東洋医学嫌いだと思っていたNHKが、真摯にこのような番組を制作してくれると本当に有難く思います。 鍼灸と言えば、「痛いんじゃないの」「熱いんじゃないの」「ほんとに効くの」といったネガティブな反応がまだまだ多い今日の日本。人口の5%ほどしか実際の鍼灸施術は受けたことがないとも言われています。要するにまだまだ本当の意味で知名度・信頼度が低く、人気職業とは言い難く、優秀な若者に無視され兼ねません。ですから、このようなNHKの教養番組にはおおいに期待をかけています。

 

 見逃した方は、『NHKオンデマンド』でも見られるようです。再放送の予定は今のところ明らかになっていません。

 

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国立西洋美術館「ミケランジェロと理想の身体」展

東京へ行く主な目的は、東洋医学鍼灸医学の勉強会に出席することですが、その前後に必ず立ち寄るところがあります。上野公園の中の美術館と博物館です。

 

 今回は初めて国立西洋美術館に足を踏み入れてみました。

 きっかけは先日放送のTV番組「探検バクモン」で紹介されたことです。

 

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 またとない機会を捉えて、本物のミケランジェロの作品に触れることができました。そればかりか、古代ローマや他のルネッサンス期の美術品にも間近に接することができ、心に酸素を吸入した思いでした。特にわれわれのように日頃一ヶ所にこもって仕事をしている者には、このような新鮮な文物に触れる機会が必要です。

 

 ルネッサンスという言葉がそもそも「再生」「復活」を意味し、それは、古代ローマ、さらに遡って古代ギリシャの価値観や美を対象にしたものであるということがよくわかる展示でした。日本では「文芸復興」と表現されますが、美術の面では特に中世のキリスト教社会で禁忌とされた人間の身体の美に光を当てたことに見て取れます。その時代に活躍した最大の天才芸術家の一人がミケランジェロでした。

 

 ルネッサンス期ばかりでなく、そのルーツである古代ローマ時代の美術品が多数展示されていました。以前神戸で古代ギリシャ展を見た時に、紀

 

元前にこれほどの文明があったとは、と感銘を受けましたが、今回あらためてヨーロッパの文明の根源に触れることができました。日本も歴史ある国ですが、古さという点では、ギリシャ、ローマにはとうていかないません。